キャッツクローはペルー共和国の高地に自生している蔓性の植物で、葉の部分に生えているトゲが猫の爪のように見えることから、キャッツクローと呼ばれるようになりました。古くからこの地域の先住民の間では、キャッツクローの樹液や樹皮が薬として利用されていて、関節炎や神経痛、リウマチなどの痛みを緩和する植物だと重宝されていました。
インカ帝国の時代から長きにわたり民間薬として利用されてきたキャッツクローには、近年の研究によりイソテロポディンなどの6種類のアルカロイドが含まれていることが分かりました。アルカロイドには免疫力を調整する作用があり、有効成分のPOA(ペンタサイクリック・オキシインドール・アルカロイド)は免疫力高めることで抗炎症作用が上がるので、患部の炎症を鎮めるのに役立ちます。リウマチは免疫機能が損なわれて起こる自己免疫疾患と呼ばれる症状で、特に問題のない関節の細胞を誤って攻撃してしまうことで炎症や痛みが発生します。POAの免疫機能を整える働きは正常な細胞へのダメージを抑えてくれるため、リウマチや関節炎、神経痛の改善が期待できます。
キャッツクローに含まれているアルカロイドの一つ、イソリンコフィリンには血圧を下げて血小板の凝集を抑える働きがあるので、高血圧の改善にもつながります。アルカロイドには抗酸化作用もあるので、アンチエイジングや生活習慣病の予防にも利用されています。このキャッツクローの炎症を抑える効果は世界保健機構から認められていて、1994年に服用しても副作用を起こさない成分と発表されています。
キャッツクローはサプリメントやお茶で成分を摂取できます。釣藤鉤という漢方薬の原料にもなっていて、アルカロイドの炎症を抑える効果から気管支炎や喘息、ヘルペス、胃炎など体のさまざまな部位の正常化に使われていて、慢性的な痛みや炎症以外にも、スポーツなどで過度に関節に負担がかかってしまった時にも活用されています。